生まれ変わっても国連 ー国連36年の真実ー

丹羽 敏之 著
人間と歴史社2019/3,500円+税

国連開発計画、国連事務局、ユニセフで活躍された丹羽敏之さんが、広島での被爆体験を含む生い立ちと、36年間の壮大な“国際公務員”としての軌跡を書かれた本。「なぜ会報で紹介を?」――実は、丹羽さんはダウン症のあるお子さんの父親で、お母様は23年間にわたり「花クリニック」(東京)でダウン症母子発達相談を担当された丹羽淑子先生なのです。淑子先生は、初孫の真理佐(まりさ)さんが1973年にアメリカで生まれて以降、発達心理学者としての専門を生かし、日本におけるダウン症研究の権威でありカウンセリングのパイオニアとなった方です(代表的な著書『あなたたちは「希望」である ―ダウン症と生きる―』/人間と歴史社:2004年)。

丹羽さんの本には、真理佐さんのこと、淑子先生のこと、開発途上国で仕える国際公務員として重症の心疾患を抱えたダウン症のある子の親としての悩み等に関する記述があります。現在45歳になった真理佐さんの近況をお聞きすると、幼い頃にNGOの計らいで巡り合った障害児養育専門家の養父母と過ごしたアメリカのピッツバーグで、専門職員監督のもと仲間3人とアパートで共同生活をし、スーパーマーケットで働く自立した生活を送られているそうです。
【JDS富山支部長 上原 公子】