日本ダウン症学会が「ダウン症候群のある患者の移行医療支援ガイド」を発表

日本ダウン症学会はこのほど、ダウン症候群のある患者の移行医療に関するタスクフォースを設置し、「ダウン症候群のある患者に関する移行医療支援ガイド」を作成しました。

 ダウン症候群は、医学の進歩に伴い平均寿命は60歳を超えると言われています。ダウン症候群のある児の9割以上が成人を迎えるようになり、日本で約8万人程度と推測されているダウン症候群のある方の半数は成人に達していると考えられています。小児期の医学的管理はほぼ確立されているものの、日本では成人期の適切な診療ガイドラインはまだありません。しかしながら内科などの成人診療科医師がダウン症候群のある成人を診察する機会は確実に増加しており、小児期から成人期への移行医療の構築は喫緊の課題となっています。
 出生前遺伝学的検査(NIPT等)に関する厚労省の専門会議で議論になっていた、障害のある子の将来に対する妊婦の不安を軽減するためにも、こういった成人後の医療について支援する体制が構築され始めていることを示すことは、意思決定の判断材料のひとつになるものと思われます。(日本ダウン症学会プレスリリースより)

ダウン症候群のある患者の移行医療に関するタスクフォースメンバー

  • 東京都立北療育医療センター内科・脳神経内科
    竹内 千仙
  • 大阪大学大学院医学系研究科小児科学教室
    北畠 康司
  • 大阪医科薬科大学小児高次脳機能研究所
    玉井 浩
  • 神奈川歯科大学全身管理歯科学講座障害者歯科学分野
    小松 知子
  • 大阪母子医療センター遺伝診療科
    植田 紀美子
  • 天使病院臨床遺伝センター
    外木 秀文
  • 埼玉県立小児医療センター遺伝科
    大橋 博文
  • 東京医科大学遺伝子診療センター
    沼部 博直
  • 東京逓信病院小児科・東京ダウンセンター
    小野 正恵
  • 東京女子医科大学遺伝子医療センターゲノム診療科
    松尾 真理
  • 東京慈恵会医科大学附属病院遺伝診療部
    川目 裕