佐々木 真紀
文芸社/1,200円(+税)
「マレタイム」 という作品は、文芸社×毎日新聞主催のコンクール「人生十人十色大賞」において最優秀賞を受賞し、書籍化されたものです。
この作品は、ダウン症と二つの合併症を持って産まれた希と、 私たち家族が歩んだ四年間を、当時つけていた日記とインスタグラム(mare.time)を読み返し、 はじめて綴ったものです。
私はこの作品を書くことで、 自分自身に起こった一連の出来事を整理し、 また新たな気持ちで希と向き合い、 楽しく歩んでいきたいと思いました。
そして、この作品をたくさんの人に届けたいと強く思っています。 障がい児を授かったばかりのママ、育児に悩み苦しむママ、そんなママを支える人たちを一瞬でも笑顔にしたい。涙が希望に変わることを伝えたい。そして、私自身が支えられた家族や友人、医療関係者や療育、保育に関わる人などに感謝の気持ちを伝えたい。そんな溢れる想いで書き進めました。
誰にだって平等に幸せになるチャンスがあること、乗り越えた先にはちゃんと幸せが宿ること。当たり前の毎日がどれほど素晴らしいものか。生きることと真剣に向き合った私たち家族の四年間を、ぜひたくさんの人に見て頂きたいと思います。何か感じていただけるものがありましたら、大切な人へと「マレタイム」 を手渡し、また読んでもらえたら、少しずつ広がって、 今この瞬間に泣いているママに届くかもしれません。それが私の一番の願いです。
※掲載図書は書店等で お求めください。
「マレタイム」のチラシをデザインした松田裕多さんより
(JDSニュース表紙アートディレクター)
ある日、著者の佐々木真紀さんご自身から、「マレタイムのチラシをデザインしていただけないか」というご相談のメッセージをいただきました。同じくダウン症がある娘を育てている私にとって、こんなに嬉しいご相談はないと思い、ぜひ!とお返事させていただきました。
チラシのデザインには、私が本文から最も印象に残った言葉を抜粋し、キャッチコピーとして使用させていただきました。
「明日も、抱きしめたくなる一日にしよう。」
私は、この言葉に「明日という一日を丸ごと、我が子と一緒に抱きかかえてみよう」という著者の温もりのようなものを感じました。私たちは、日々の忙しさの中で、ごく当たり前の日常の素晴らしさを忘れてしまったり、我が子と過ごす一日一日のかけがえのなさを、見失ってしまったりします。そんな時、自らの境遇を物ともせず、たくましく生きようとする希くんと著者が、まるで大らかな海のように私たちをまるっと包み込んでくれている。そんな気持ちにさせくれるのです。